シニア英会話ガイド運営者の高橋です。
「60歳で会社を定年退職するが、その後も何か仕事をしたい。せっかくなら英語力を活かして」
「肉体労働は厳しいけれども、高齢者になっても、在宅で頭を使う仕事をしたい」
このような希望を持っている方も多いのではないでしょうか?
私は現在、英会話講師としての仕事の他に実務翻訳の仕事もしておりますが、翻訳の仕事は、まさにシニアが定年退職後も収入を得るのにうってつけの仕事だと実感しております。
60歳を過ぎてからでも、きちんと翻訳のスキルを学べば、時給2000~3000円はとても現実的な数字です。
コンビニやレストラン、交通整理、深夜の警備員などの肉体労働をする必要もありません。
在宅にいてコーヒーを飲みながら、自分のペースでゆったりと進めることができる仕事なのです(もちろん、期限は厳守ですよ!)。
そこで本記事では、翻訳の仕事に興味を持っているシニアの方に向けて、英語の勉強から始めて翻訳の仕事を得るまでの具体的な手順を3ステップとしてご説明しようと思います。その前に、まずはシニアが翻訳を仕事にするメリットを改めて確認しておきましょう。
目次
1. 定年退職後のシニアが翻訳を仕事にするメリット
1.1 年齢による有利/不利が存在しない
一般的に、翻訳の仕事を得るためには、翻訳会社での「トライアル」という試験を受ける必要があります。
トライアルに合格すれば、翻訳の仕事を受注することができるのですね。
そして、そのトライアルにおいては、年齢による有利/不利がほとんどありません。
少し考えれば、当たり前なのですが、翻訳会社からすれば、年齢に関係なく、良い翻訳文を納品してもらうことが一番重要ということです。
顔も見えない相手とメール上のやり取りだけをするわけですから、当然ですね。
1.2 時給2000~3000円と高収入
最近、定年退職後に、コンビニやレストランのスタッフ、交通整理、警備員などの仕事をされている中高年者を見かけるようになってきました。
もちろん、これらの仕事も尊いものですが、基本的に肉体労働であるために、体調を少しでも崩したりすると働けませんし、体力的な消耗もあります。
また、収入についても時給1000円あれば御の字でしょう。
一方、翻訳の仕事は、年齢に関係なく、時給2000~3000円の収入は当たり前です。
特許翻訳や医療翻訳という分野を選べば、さらに大きな金額を稼ぐことができます。
1.3 頭と指を常に使うため、脳トレ・認知症予防に
翻訳をしている際には、日本語と英語(又はその他の言語)を頭の中で素早く切り替えて、仕事をしています。
これは、脳トレ・認知症予防として最適です。
BBCニュースでも取り上げられていたことがありますが、外国語学習はあらゆる人工的な脳トレよりも認知症予防に効果的です。
「翻訳は学習ではなく、仕事でしょ」という声も聞こえてきそうですが、外国語を脳で使用するということに関して、学習も翻訳も同じです。
1.4 外出が不要のため、車椅子生活/入院生活でも継続可能
例えば、骨折をして入院した場合、外で働いていれば、その間、収入が途絶えますが、翻訳であれば入院中でも、車椅子に乗っていても、仕事をすることができます。
入院中や車椅子生活になると、足を動かさない分、脳の機能が衰えがちです。
その点、入院中や車椅子生活にも翻訳の仕事を継続することで、収入は維持しつつ、脳の健康にも良いというメリットがあります。
2. 【重要です】3ステップの前に一言。翻訳は立派な「専門スキル」です
ここまで翻訳を仕事にすることのメリットについて述べてきましたが、ここで一つ重要な注意点です。
翻訳は立派な「専門スキル」です。仕事をするためには、しっかりとした勉強が必要です。
当たり前ですが、専門スキルを身につけるためには「時間」と「お金」をどちらも使います。
美容師になる方は、「美容の専門学校に通う」という形で、しっかりと「時間」と「お金」を使っています。
翻訳の仕事をするためには、美容師ほど、長い時間も多額のお金もかかりませんが、1日最低1時間程度の学習と、月に数千円程度の費用を惜しまないで下さい。

3. シニアが定年退職後に翻訳の仕事を得るまでの3ステップ
それでは、以下に、定年退職したシニアが翻訳の仕事を得るための具体的な手順について解説致します。
ステップ1:「英語スキルの習得」TOEIC800点を取得しましょう
まずは、翻訳の基礎となる英語スキルです。この時点で、既にTOEIC800点以上を取得されている方は、ステップ2に進んで下さい。
しかし、「TOEICを受けたことがない方」または「TOEIC800点未満である方」はまずTOEIC800点を目指しましょう。
「なぜ、翻訳の仕事にTOEIC?」と疑問に思われる方のために、理由を説明致します。
TOEIC800点を目指す理由
・多くの翻訳会社がTOEIC800点以上の要件を設定している
・最低TOEIC800点の英語力がないと、ミスをしてしまう(→仕事がなくなる)
まずは、事実上、多くの翻訳会社が明示的に、または非明示的にTOEIC800点を翻訳者採用の要件として設定しています。
誰でも最初は翻訳の未経験者ですが、初めて翻訳の仕事を得る時に重視されるのは資格です。
翻訳の発注側としても、やはり最初は不安なものです。良い資格を持っている方を優先したくなる気持ちは皆様にも理解できることと思います。
そして、次の理由として、実際にTOEIC800点程度の実力がないと翻訳の仕事でミスをしてしまうからです。
せっかく仕事を受注できても、大きなミスをした場合、二度と仕事が来なくなるケースもあります。くだらない英語のミスを犯さないように、TOEIC800点程度の英語力は身につけておきましょう。
では、TOEICで800点を取るためにはどのような勉強をすれば良いか?
現時点では、リクルートが提供しているスタディサプリENGLISH TOEIC対策コースの受講が最もおすすめです。
スタディサプリENGLISH TOEIC対策コースは、リクルートが提供する月額2980円のオンラインTOEIC学習サービスで、TOEIC指導の第一人者である関正生先生が、TOEICで高得点を取るための効率的な勉強法や問題解説を提供してくれています。
関正生先生は、最近スタディサプリのCMでもよく登場しているため、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
その本質を突いた講義は、神講義と言われ、生の授業では立ち見が出るほどの人気なのです。
もしあなたが現状、TOEIC600点程度の実力の場合、TOEIC対策コースを3ヶ月程度、真剣に取り組むことでTOEIC800点が見えてきます。
ステップ1でモタモタしないように、短期間、集中的に受講して結果を出しましょう。なお、TOEIC対策コースは、1週間の無料体験を用意しているため、これを受けるだけでも、大変勉強になります。

ステップ2:「翻訳スキルの習得」アメリアネットワークで翻訳の勉強をしましょう
次からは、いよいよ翻訳の勉強です。
しかし、「翻訳」と1口に言っても、その分野はとても広いものです。
翻訳の分野
特許翻訳
医療翻訳
金融翻訳
IT翻訳
ビジネス翻訳
マニュアル翻訳
字幕翻訳
吹替翻訳
・・・
翻訳の未経験者の方は、どの分野が自分に向いているか分かりますか?
・・・残念ながら、おそらく分からないでしょう。
まず、翻訳の仕事を得る前にすべきなのは、自分の適性のある翻訳の分野を見つけて、その分野の勉強をすることです。
そして、翻訳の分野探しと勉強を支援してくれるのが翻訳者ネットワーク「アメリア」。
通常、翻訳学校は、東京や大阪など大都市圏にしか存在しないことが多いですが、アメリアでは、通信型で実務翻訳の様々な分野を学習できるのが大きなメリットです。
加えて、アメリアには、翻訳の仕事の斡旋機関としての機能も有り、未経験者向けの求人の豊富さに定評があります。
ステップ3では、仕事獲得について書いておりますが、むしろ、ステップ2の段階でアメリアから仕事を得ることも可能です。
アメリアを通じて、あなたの天職となる翻訳分野を見つけましょう。

ステップ3:「仕事獲得」トライアルに挑戦しましょう
さて、TOEIC800点を取得して英語の基礎力を身につけ、あなたの天職となる翻訳の分野を見つけ、勉強もしました。
いよいよ、トライアルの受験です(ステップ2のアメリアでも、仕事を斡旋してもらうことが可能です)。
「でも、どの翻訳会社に応募すれば良いの?翻訳会社とか全然知らないんだけど・・・」
そんな悩みがありますよね。
まず、翻訳の仕事を探すための基礎的な本として、通訳翻訳ジャーナルを買い求めましょう。
(*毎月発行されるため、最新版を必ず買ってください)
通訳翻訳ジャーナルは、通訳翻訳業界の最前線の話題を提供するとともに、通訳、翻訳会社の求人情報も豊富に掲載しています。
翻訳会社の募集分野やトライアルの条件が掲載されているので、自分が学習した翻訳分野に合う会社にトライアルの応募を出しましょう。
ステップ1とステップ2をしっかりとこなしていれば、最悪でも3社に1社からは翻訳の仕事がもらえるはずです。
